兄弟姉妹相続の戸籍集め

「子どものいない兄が亡くなり、きょうだいにも相続手続が必要と言われた」「戸籍をどこまで集めればよいのか分からない」。兄弟姉妹が関係する相続では、配偶者や子が相続人となる場合よりも、確認する親族の範囲が広くなりやすく、戸籍収集に時間がかかることがあります。

預貯金の解約や不動産の名義変更を始める前に、まず誰が相続人になるのかを戸籍で確認することが重要です。

兄弟姉妹が相続人になる条件

亡くなった方に配偶者がいる場合、配偶者は常に相続人になります。そのうえで、子や孫などがいなければ父母・祖父母などの直系尊属が、直系尊属もいなければ兄弟姉妹が相続人になります。兄弟姉妹が先に亡くなっている場合は、その子であるおい・めいが代わって相続人となることがあります。

ただし、養子縁組、前婚の子、認知された子、先に亡くなった親族の有無などにより、相続人の範囲は状況によって異なります。思い込みで遺産分割協議を始めず、戸籍で確認してから進める必要があります。

戸籍が多くなる理由

兄弟姉妹が相続人になることを確認するには、単に亡くなった方の死亡時の戸籍を見るだけでは足りません。一般には、次のような戸籍が必要となりやすいです。

・亡くなった方の出生から死亡までの連続した戸籍
・亡くなった方に先に死亡した子がいる場合、その子の出生から死亡までの戸籍
・亡くなった方の父母や祖父母が死亡していることを確認できる戸籍
・兄弟姉妹の現在戸籍
・先に死亡した兄弟姉妹がいる場合、その死亡が分かる戸籍と、おい・めいの現在戸籍

これは、子などの第1順位、父母などの第2順位に相続人がいないことと、第3順位となる兄弟姉妹やおい・めいを漏れなく確認するためです。裁判所が案内する相続放棄の標準的な添付書類でも、兄弟姉妹が申述人となる場合には、亡くなった方の出生から死亡までの戸籍や、直系尊属の死亡が分かる戸籍などが挙げられています。

実際に必要な範囲は、家族関係や提出先によって状況によって異なります。戸籍が廃棄されている場合や、海外に身分関係がある場合など、通常の収集だけでは確認できないこともあります。

広域交付で取れないこともある

2024年3月1日から戸籍証明書等の広域交付が始まり、本籍地以外の市区町村窓口でも戸籍や除籍を請求できるようになりました。ただし、広域交付を利用できるのは、本人、配偶者、父母・祖父母などの直系尊属、子・孫などの直系卑属です。郵送請求や代理人による請求はできません。

そのため、亡くなった方の兄弟姉妹が窓口に行っても、広域交付だけで必要な戸籍をすべて取得できるとは限りません。本籍地の市区町村への請求、請求理由や親族関係を示す資料の準備、専門家への委任などを組み合わせることがあります。

取扱いは市区町村や戸籍の状態によって異なります。制度変更もあり得るため、最新の取扱いは関係機関への確認が必要です。

集めた戸籍を手続に生かす

戸籍一式がそろったら、相続関係を一覧にした「法定相続情報一覧図」を作成し、法務局へ申出をする方法があります。法務局の確認を受けた一覧図の写しは、預貯金、相続登記、年金など、複数の手続で戸籍の束に代えて利用できる場合があります。

ただし、提出先ごとに印鑑証明書、遺産分割協議書、通帳などの追加書類が必要となるため、各機関への確認が必要です。

借金がある可能性があり、相続放棄を検討する場合は、原則として自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に家庭裁判所へ申述します。戸籍収集中でも期間は進むため、個別事情に応じて早めに裁判所や専門家へ確認してください。

相続人間で争いがある場合や、交渉・法的判断が必要な場合は、弁護士への相談が適切です。不動産の相続登記申請は司法書士の業務です。行政書士は、戸籍等の収集支援、相続関係説明図や遺産分割協議書の作成支援、法定相続情報一覧図の申出支援、預貯金相続手続の書類整理などに対応できます。

相続手続は、最初の戸籍確認が遅れると、その後の手続にも影響します。アイシー大阪本町相続サポートは、大阪市中央区・本町駅徒歩3分で、相続手続の相談に対応しています。

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