亡くなった親の株を調べる

親が亡くなった後、「株を持っていたはずだが、証券会社が分からない」「通帳はあるのに証券が見つからない」と困ることがあります。近年は取引がインターネット上で完結し、紙の証券や取引報告書を保管していない方も少なくありません。

株式や投資信託は相続財産です。見落としたまま遺産分割を終えると、後から協議や税務の確認が必要になることがあります。手掛かりを順番に確認し、分からない場合は証券保管振替機構への開示請求を検討します。

まず自宅と入出金を確認する

最初に、証券会社から届いた取引残高報告書、年間取引報告書、配当金計算書、株主総会の案内、NISA関係の書類を探します。通帳では、証券会社への入金、証券会社からの振込み、配当金の入金がないか確認します。確定申告書などの税務書類と一緒に、証券関係の資料が保管されていることもあります。

パソコンやスマートフォンでは、証券会社のアプリやメールが手掛かりになります。ただし、暗証番号を使って故人の口座へログインしたり、家族の判断で株を売却したりすることは避けてください。会社名が分かったら、公式の相続窓口へ死亡したことを伝え、必要な手続を確認します。

証券会社が分からないとき

手掛かりが見つからない場合は、「ほふり」と呼ばれる証券保管振替機構へ、登録済加入者情報の開示を請求できます。これは、亡くなった方の株式等に関係する口座の開設先を調べる制度です。法定相続人が複数いても、そのうち一人から請求できます。

手続は郵送で行い、窓口や電話で結果を教えてもらうことはできません。主に必要となるのは、開示請求書、請求する相続人の本人確認書類、法定相続情報一覧図または相続関係を確認できる戸籍、亡くなった方の住所が分かる住民票の除票や戸籍の附票などです。確認書類は一部のページだけでなく、全ページのコピーを提出します。必要書類は続柄や住所履歴によって異なります。

2026年10月時点の開示費用は、相続人からの請求が1件7,700円です。法務局発行の法定相続情報一覧図のコピーを提出した場合は6,050円となります。氏名と住所の別の組合せも同時に調べる場合、2件目以降は1件1,100円が加算されます。該当する口座がなくても費用はかかります。現在は、書類受付から結果発送まで約2か月かかると案内されているため、余裕を持って準備しましょう。

開示結果だけでは残高は分からない

開示で確認できるのは、原則として現在の口座開設先です。過去の特定日時にどこへ口座があったかは調べられません。また、通知に証券会社名があっても、現在は株を売却して残高がない場合があります。

開示結果は、保有銘柄、株数、評価額まで確定する資料ではありません。記載された証券会社等の相続窓口へ連絡し、死亡日時点の残高証明書や取引履歴などを請求して、内容を確認します。旧住所や旧姓で登録された口座があると、検索から漏れる可能性があります。引っ越しが多かった方は、戸籍の附票や過去の株式関係書類から住所履歴を整理してください。

この開示だけですべての金融資産が判明するとは限りません。銀行で購入した投資信託、勤務先の持株会、非上場会社の株式などは、勤務先の資料、銀行通帳、会社関係書類などから別に確認する必要があります。

判明した後の相続手続

証券会社ごとに、相続届、戸籍または法定相続情報一覧図、遺言書や遺産分割協議書、相続人の印鑑証明書・本人確認書類などを求められます。相続人名義の証券口座が必要になる場合もあります。必要書類と株式の移管・売却方法は会社や商品によって異なるため、各社へ確認しましょう。

上場株式や投資信託の相続税評価には決められた方法があります。相続税申告の要否や評価方法は税理士、不公平な分け方などで相続人間に争いがある場合は弁護士への相談が適切です。行政書士は、戸籍収集、相続人調査、合意内容に基づく遺産分割協議書や財産目録の作成などを支援できます。

元気なうちに、利用している金融機関名、支店名、口座番号、書類の保管場所を一覧にしておけば、家族が探す負担を減らせます。暗証番号そのものを家族へ渡すのではなく、契約先が分かる情報を安全に残すことが大切です。

アイシー大阪本町相続サポートは、大阪市中央区・本町駅徒歩1分で、戸籍収集、相続人調査、財産資料の整理など、相続手続の相談に対応しています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です