亡くなった親の介護保険料
親が亡くなった後に介護保険料の変更通知書や納付書が届き、「死亡届を出したのになぜ支払いが必要なのか」「年金から引かれた分は返ってくるのか」と迷う方は少なくありません。
介護保険料は、死亡した時点までの加入期間で計算し直されます。払い過ぎなら還付、不足なら納付となるため、死亡後に書類が届いても誤請求とは限りません。ここでは、主に65歳以上の方の介護保険料について説明します。
死亡月は日割りではなく月割りで精算
65歳以上の方は、亡くなった日の翌日に介護保険の資格を失います。保険料は、資格を失った日が属する月の前月分まで、月単位で計算されます。
例えば、9月15日に亡くなった場合、資格喪失日は9月16日なので、保険料は8月分までです。一方、9月30日に亡くなった場合、資格喪失日は10月1日となるため、9月分までかかります。月の途中で亡くなった場合に、死亡日までを日割り計算する制度ではありません。
また、納付書にある「第1期」「第2期」などは、年間保険料を支払う回数に分けたものです。その期の金額が、そのまま1か月分の保険料を表しているとは限りません。手元の納付書だけで残額を判断せず、再計算後の通知を確認しましょう。
変更通知書と納付書を確認する
死亡届の情報をもとに、市区町村は介護保険料を再計算し、後日、変更通知書などを遺族へ送ります。発送時期や書類名は自治体によって異なります。
変更通知書に納付書が同封されていれば、精算後も不足額が残っている可能性があります。年度途中ですでに何回か納めていても、年間額との比較で不足が生じることがあるため、金額と納期限を確認します。納付済みの領収書、口座の引落記録、以前の納付書も保管し、二重払いを避けましょう。
反対に、払い過ぎている場合は、後日、還付請求書が届くことがあります。変更通知書だけで納付書も還付書類も入っていなければ、直ちに手続がない場合もあります。分かりにくいときは、亡くなった方の氏名、住所、生年月日、死亡日、通知書番号を準備し、住所地の市区町村の介護保険料担当へ確認してください。
介護保険被保険者証、負担割合証、負担限度額認定証などが残っている場合は、返却の要否と方法も尋ねましょう。
年金天引きはすぐ止まらないことがある
介護保険料が年金から天引きされていた場合、死亡届を提出しても徴収停止の情報が反映されるまで2~3か月ほどかかり、死亡後に支払われる年金から保険料が引かれることがあります。
この天引きだけを見て、すぐに二重払いと判断することはできません。年金保険者から市区町村へ情報が届いた後、最終的な保険料と納付済額を照合し、還付または追加納付が行われます。年金についても、日本年金機構や共済組合へ、死亡に関する手続や未支給年金の請求が必要か確認してください。未支給年金の請求と介護保険料の還付は別の手続です。
還付を受ける人と必要書類を確認する
還付が生じた場合、相続人が請求する取扱いが一般的です。還付請求書のほか、相続人の本人確認書類、故人との関係が分かる戸籍、振込先口座などを求められることがあります。必要書類や、代表者だけで請求できるかは自治体によって異なるため、届いた案内に従ってください。
受け取った還付金は記録し、相続人が複数いる場合は情報を共有しておきます。未納分の納付や還付金の受領は、相続放棄を考えている方の判断に影響する可能性があるため、先に弁護士へ相談するのが安全です。また、40歳から64歳までの介護保険料は医療保険料と一緒に納める仕組みなので、加入していた健康保険へ確認します。
元気なうちに、介護保険の通知書、年金の振込通知書、保険証類の保管場所を家族と共有しておけば、精算時の確認がしやすくなります。アイシー大阪本町相続サポートは、大阪市中央区・本町駅徒歩1分で、戸籍収集や相続関係書類の整理など、相続手続の相談に対応しています。

