亡くなった親のパスポート

親の遺品から有効期限の残ったパスポートが見つかり、「死亡届を出せば自動的に処理されるのか」「捨ててもよいのか」「旅行の思い出として残せるのか」と迷う方は少なくありません。

日本のパスポートは、旅券法上、名義人が亡くなった時点で効力を失います。ただし、冊子そのものが自動的に回収されるわけではありません。死亡届とは別に、旅券窓口で失効の手続をしてもらいます。

まず有効期限と発行国を確認する

最初に、顔写真のあるページで、有効期限と発行国を確認します。日本国のパスポートで有効期限が残っている場合は、亡くなった方のパスポートと、死亡の事実が分かる書類を用意し、国内では最寄りの都道府県の旅券申請窓口へ届け出ます。国外では、最寄りの日本大使館または総領事館が窓口です。

死亡届を市区町村へ提出していても、手元のパスポートまで自動的に穴あけ処理されるわけではありません。見つけたら、現金や通帳などとは分けて安全な場所に保管し、旅券窓口へ連絡しましょう。

外国が発行したパスポートを持っていた場合、日本の旅券窓口ではなく、発行国の大使館や領事館へ確認します。日本と外国のパスポートが両方ある場合は、それぞれ手続が必要になることがあります。

窓口と必要書類を事前に確認する

手続に必要となるのは、一般に次の資料です。

・亡くなった方のパスポート
・戸籍謄本、除籍謄本、死亡診断書の写しなど、死亡の事実が分かる書類
・窓口へ行く家族の運転免許証やマイナンバーカードなどの本人確認書類

使用できる死亡確認書類、原本か写しか、申出書の要否、郵送できるかどうかは窓口によって異なります。市区町村に旅券窓口があっても、死亡による返納を取り扱うとは限らないため、出向く前に電話で確認すると安心です。

すでに有効期限が切れているパスポートは、死亡を証明する書類が不要と案内している自治体もあります。ただし、取扱いは提出先へ確認してください。外務省の一般向け案内には、死亡後何日以内という具体的な期限は示されていませんが、放置や紛失を避けるため、見つけた後は早めに連絡しましょう。

思い出として残すこともできる

故人が海外旅行で使ったパスポートには、査証や出入国のスタンプが残っており、形見として保管したい方もいます。窓口によっては、失効処理として穴を開けた後、希望すれば返してもらえます。最初に「手元に残したい」と伝えてください。

自分で写真ページを切ったり、ICチップを壊したりしてから持参すると、窓口で状態を確認しにくくなります。手を加えず、そのまま相談するのが安全です。返却された後も、有効な身分証明書ではありません。他人が持ち出さない場所に保管し、不要になったときの処分方法も旅券窓口へ確認しましょう。

パスポートが見つからない場合や、遺品整理中に紛失した可能性がある場合も、家族が故人になり代わって紛失届を作成せず、死亡の事実と見当たらない状況を窓口へ伝えて案内を受けます。

旅行契約などは別に確認する

パスポートを失効処理しても、航空券、旅行予約、旅行保険、クレジットカード、外貨口座などが自動的に解約されるわけではありません。予約メール、旅行会社からの書類、カード明細を確認し、契約先ごとに死亡の連絡と返金の可否を尋ねます。取消料や必要書類は契約内容によって異なります。

海外で亡くなった場合は、現地の死亡届、遺体や遺骨の搬送、航空会社の手続などでパスポートの提示を求められることがあります。先に切断・廃棄せず、日本大使館または総領事館の案内に従ってください。

元気なうちに、パスポートの保管場所、有効期限、海外旅行の予約や保険を家族と共有しておけば、死亡後の確認が進めやすくなります。アイシー大阪本町相続サポートは、大阪市中央区・本町駅徒歩1分で、戸籍収集や相続関係書類の整理など、相続手続の相談に対応しています。

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